県民ボランティア活動支援センターさんのNPOオープンカフェに相乗りしたハンズオンカフェを開きました。
今回は福岡で活躍しているNPO法人ミディエイドの芹田博さんをお呼びしてNPOチラシ品評会&セリタ先生のチラシ作りミニセミナーでした(ミディエイドの今村さん、三島さんもご参加ありがとうございました)。
はじめに、持ってきたイベントやボランティア募集のチラシをホワイトボードにズラッと張り出して、
「いいね!」と思うチラシにいいね!と思った理由をふせんに書いてペタペタとチラシに貼りました。
それから、いいね!ふせんが多いチラシから順番にいいね!のポイントと、チラシを作った方の工夫などを聞いてセリタ先生からワンポイントアドバイスを頂きました(写真右がセリタ先生)。
後半はチラシ作りの質問コーナー。
セリタ先生にチラシ作りのコツやチラシの訴求力を聞きました。
昔は配ったチラシの10%の反応はあったけれど、今はグッと下がっているとか、A4チラシの上1/3が目立つポイントなどなど。
学生さんは、パソコン上のチラシのデザインをセリタ先生に見てもらっていました。
セリタ先生「タイトルの文字はこれくらい大きくないと目立たないんですよ。他の情報をいかに減らすかがポイントです」。
終了後も熱心にチラシ作りのコツを聞く参加者で大盛り上がりでした。
当日参加者が増えたり、打合せ不足で会場のレイアウト変更など急遽対応したシーンもありましたが、皆さん満足されたようです。
最期はいつものように名刺交換をして交流をしました。
新しい繋がりが生まれ、活動が活性化したり、課題解決のための新しい活動が産まれるといいなと思います。
来月は、ハンズオンカフェ単独で開催します。
ご参加お待ちしてます。
【日時】
2018年12月26日(水)19:00~20:30
【会場】
出島交流会館5階(長崎市出島町2-11 出島電停から歩いて3分)
【参加費】
100円とお茶とお菓子など持参
【テーマ】
事務局長や代表者など団体の運営を切り盛りしている方を対象に、運営の難しさや楽しさなどについて意見交換をします。
組織の運営で悩んでいたら、ここにきてみんなでシェアしましょう。
【申込】
事前申し込みは不要です。当日会場にお越しください。
☆ハンズオンながさきはながさきのNPO・ボランティア活動をサポートする任意団体です。
handson.nagasaki@gmail.com
2018年11月
SDGs 持続可能な社会を長崎から考えるシンポジウム(12/3)
Sastainable Development Goals(持続可能な開発目標)(外務省HP)
2015年の国連総会で採択された、2016年から2030年までの国際目標です。
持続可能な社会を維持するための17のゴール、169のターゲットから構成されており、地球上の誰一人として取り残さないことを誓っています。
例えば、第1の目標の「貧困をなくそう」の1.1で
「2030年までに現在1日1.25ドル=141円(11/26の為替レート)未満で生活する人々と定義されている極度の貧困をあらゆる場所で終わらせる。」とされています。
これを見ると日本には関係ないように見えますが、1.3で
「各国において最低限の基準を含む適切な社会保護制度及び対策を実施し、2030年までに貧困層及び脆弱層に対し十分な保護を達成する。」
とされており、その国ごとに十分な保護をすることが目指されています。
これでいうと日本は生活保護受給者数が210万人(2018年8月)で人口に占める割合は1.6%。
日本の相対的貧困率は15.6%(2015年)。6~7人に一人は「貧困」という事ができ、第1の目標「貧困をなくそう」は日本でも取り組むべきテーマであることが分かります。
また一つの活動が複数のテーマにわたる場合もあります。
例えば、女性の活躍推進は貧困(特にひとり親)とジェンダーの2つのテーマに関わってきます。
これらSDGsの考え方を学び、長崎の市民活動のネットワーキングと協働の場づくりを目的とした勉強会が長崎で開催されます。
チラシ↓
http://handsonnagasaki.blog.jp/20181126130013.pdf
SDGsの目標に市民の参加と協力をどう集めるのか?が私が注視するポイントです。
安易なソーシャルビジネスや非営利企業モデルにならないように。
【日時】
2018年12月3日(月)18:30~20:30
【会場】
長崎シビックホール(長崎市常盤町1-1メットライフ生命長崎ビル1階)
TEL:095-822-8161
【プログラム】
1.問題提起 城尾忠明さん「農業・養蜂から感じる環境変化と社会」
2.各分野で活動している方々からの報告
岩本諭さん(まちづくり)、江頭文明さん(教育)、黒﨑伸子さん(医療・女性)、野口美砂子さん(子育て)、宮原和明さん(環境)、山口敦子さん(海洋資源)
3.参加者による意見交換、グループディスカッション
4.まとめ 片峰茂さん(元長崎大学学長)
5.懇親会(希望者)
【参加費】
本編は無料/懇親会は2,500円
【主催】
長崎SDGsクラブ(仮称)
教育から見た長崎の課題
隔週でお送りしているラジオ「なないろパーク」
長崎の街づくりについて様々な切り口でフリートークする番組です。
今回は子どもの権利オンブズパーソンながさきさんが、活動を通して分かった長崎の教育の課題をテーマにフリートークします。
こちらの団体は、子どもからの電話、メール、来訪相談を受ける活動をしています。
今の相談場所が2019年1月末までのため、2019年2月から子どもが相談できる場所「オンブズルーム」を探しています。
お心当たりのある方は、同団体まで情報をお寄せください。
komb.nagasaki@yahoo.ne.jp
放送は2018年12月1日(土)午前10:00~10:30
再放送は12月4日(火)午後22:00~22:30です。
長崎シティFM81.3MHzでどうぞ。
NPO法成立20周年記念フォーラムin九州(3)参加と協力のコツ
2018年11月18日に開催されたNPO法成立20周年記念フォーラムin九州
3回に分けてリポートしています。今回が最終回です。
NPO法制定当時のお話を堂本暁子さん、松原明さんからお聞きした後に、
九州で活躍している3つのNPO法人さんに質問形式で活動紹介などを頂きました。
NPO法人 I-DO(アイディオ) 濱田千夏さん(北九州市)
自団体の活動を一言で表すと:移動する選択肢を提供する団体
認定NPO法人 NEXTEP 佐々木大河さん(熊本県合志市)
自団体の活動を一言で表すと:出会い
NPO法人かいろう基山 松原幸孝さん(佐賀県基山町)
自団体の活動を一言で表すと:癒しの里山づくり
2つ目の質問「自団体のNPOらしさ=参加と協力が起こる場面はどんなところ?」
濱田さん「自団体の活動に参加している学生の自己実現を応援する時。
企業への寄附のお願いを学生ボランティアと一緒に行った時に、企業の方から「自転車の駐輪場なら、うちの駐車場は土日は使っていないから使ったらどう?と提案を受けたことがあった。
学生がやってみたいということを取り上げて法人のミッションに照らし合わせて実施したときにNPOらしいと感じる。」
佐々木さんは「参加していた若者が成長してボランティアリーダーとして活躍してくれた時。成長を感じました。」
松原さんは「私たち会員が基山の里を保全するには1200年かかる。だから私たちじゃできないと宣言した。そうしたら多くの市民が来てくれた。山を変えるだけでは社会は変わらない。参加者にはありがとうと返してる。」
三人の方のお話は、このフォーラム前半で松原さんが言っていた参加者が主体的に活躍できる場を作っているんだと思いました。
最期の質問 5年後の未来は?回答は写真でどうぞ。
自主事業を大きくしてその収益で、公益事業を充実させたい、NPOで活動するリーダーを10人育てたい、他の団体のモデルとなるような法人になりたい。それぞれの夢が語られました。
三人の方に質問しコメントしていた永田賢介さん(認定NPO法人アカツキ)は、理事会がきちんと機能するように組織を作ることが大事だと思うとコメント。
多くのNPOが強いリーダーとそれ以外という構成になっていて団体内部での参加と協力を促すようアドバイスがありました。
参加者は、これまでのことをワークシートに書いて振り返りを行いました。
「参加と協力はNPOの源泉」「市民主導でなく、市場主導?はグサッと来た」「NPOはコーディネーター」「自己実現するのは事務局だけ」etc..
これらの学び、気づきを誰と共有したいか想起していただき、それぞれに持ち帰っていただくようにしました。
このフォーラムを総括して堂本暁子さんは次のようにお話されました。
「今日参加した皆さんは心ある方ばかりと思う。その心の奥にある意識はどうなのかよく見つめてほしい。
そして、自分の団体の事、活動している分野のことだけでなく日本社会のあり様、世界で起きていることについても関心を持ってほしい。
信念やミッションという視点からのネットワークづくりをして社会を変えていく必要がある。
それがこの場にある事にとても心強く思った。」
松原明さんは
「NPO法は知っているだけでなく、法律を作ったその意図を理解すると法律というツールの使い方が変わってくる。この仕組みをいかに使って市民のパワーを増やしていくか。
そのコツを5つ伝えたい。」
1.他力本願
参加する人の力が最大限になるように、自分の力を最大限出す事
2.場を設計する
参加した人が満足できるような場づくりを心掛ける。
3.自主性を尊重する
参加した人がうまくやれるように支援したり、自分でやりたいように工夫したりする。
支援の割合が10割⇒1割になるなど参加者の自立性を促す。
4.活動をするための組織をしっかり作る
理事会でしっかり話し合い決める、担当者を決めて任せる、サポートするなど参加した人が安心して活動できるよう組織という器をしっかりつくる
5.社会全体の構造を考える
主に取り組んでいる分野だけではなく、他の分野にも目を向けないと問題の本質的解決には至らない。
本フォーラムは、一般財団法人くまもと未来創造基金の宮原美智子さんの閉会挨拶で締めくくられました。
知らなかった事、知ったから勇気をもらったこと、これからやっていきたいこと、宮原さんの言葉は参加者と同じ。
この様子が11月21日の西日本新聞(福岡版)に掲載されました。
最終的な参加者は総勢71名でした。
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NPO法成立20周年記念フォーラムin九州(2)非営利企業モデルの限界
その内容を3回に分けて紹介しています。
前回は、NPO法がどのような経緯で誕生し、どういう意図で設計されたかについてリポートしました。
今回は、NPO法ができて社会がどうなったか?の部分を記録しておきます。
スピーカーは元参議院議員でNPO法の成立に深くかかわった堂本暁子さん。
そしてシーズ・市民活動を支える制度をつくる会の松原明さんのお二人です。
堂本さんはNPO法成立後に市民活動団体の応援を受けて千葉県知事に就任されたので、
NPO法成立後の千葉での状況をお話しくださいました。
行政には審議会という組織があります。専門家や市民の意見を聴いて施策に反映させるための場です。
この審議会の一つ、市民活動についての審議会の座長に堂本さんは、松原明さんを呼びました。
普通、審議会は行政の担当者が資料を準備して説明をしてそれについて意見を聴くパターンが多いです。
私も長崎県の審議会に参加したことがあります。
その時は2時間の時間の中で、80分位が行政からの説明、40分位で20人いる委員の意見を聴いてました。
ほとんど、行政の施策についてどう思うかで終わってしまいました。
このように、行政説明が長くて審議員の意見はほんの少しの時間というケースが多く見られます。
松原さんは、審議会のスタート時に「みなさん、今日は資料を裏返してください。みなさんの意見を聴きたい」と言って担当者が用意した資料を使わずに話し合いを進めたそうです。
担当者は青くなりましたが、本当の意味での市民の意見が出されたということです。
そして千葉ではNPO活動促進条例が整備され、NPO法人の数が増えました。
市民の声から生まれたプレイパークは今でも残っているそうです。
堂本さんのこのお話を受けて松原明さんは、NPOの現状をお話されました。
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千葉ではNPOはコーディネーターであれと話をした。
誰かが決めた課題に取り組むのではなく、市民自らが課題を見つけそれをサポートし活動を促す役割。
NPO法の中で非営利と明記したが、その説明をすっかり忘れてしまって大変反省している。
非営利とは、参加と協力をし合うための約束。
非営利のこの意味を外して、社会課題の解決に使えば儲けてもOK⇒非営利企業モデルとして捉えられてしまった。
2000年代前半、このモデルはソーシャルビジネスで語られ流行となった。
しかしこのモデルでは、支援を受ける人も支援する人も支援を受けるだけ、支援するという組織から求められる役割を果たすだけで主体性を発揮できなくなった。
このモデルで主体性を発揮して自己実現できるのは組織の事務局だけ。
事務局がメインでトップダウンの仕組みのため、市民の参加の機会がなく主体性が発揮できない。
そのためか、マスコミの調査ではボランティアに参加したいという割合が減少してきている。
社会課題の解決が主題になり、新しい公共事業も相まって、短期的リターンと手っ取り早さを求めて、一般社団法人が増えるなどNPO法人が持つ「参加と協力」はすたれつつある。
この意味で、NPO法人は「オワコン(終わったコンテンツ)」とみられている。
しかしソーシャルビジネスも新しい公共も結局は市場を作りだしてそこに薄利のサービスを提供することで成り立つので、薄利多売というようにサービスを売る相手がいなければ成り立たない。
とすると、地方では多売は難しいので地方の社会課題解決にはつながらない。
そして活動のためお金にならないことはやらないというサイクルに陥り、お金にならない課題には取り組まなくなる。
これでは社会の変革は進まない。
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松原さんのこのお話を聞いて、私はとても納得できました。
さっきまでの私は、まさに非営利企業モデルをNPOで活動する相談者に勧めてました。
それが正しいと思っていたし、継続して活動するにはお金は必要だし。
しかし、それはメインではない。
市民が参加して協力できる仕組みも一緒に相談者に提案する、一緒に考える必要があったんだと。
長崎県内で認証を受けたNPO法人のうち1/4が解散又は認証取消となっています。
県の認証担当課さんにお聞きすると、最近の相談は「NPOの解散について」が最も多いそうです。
一緒に参加したハンズオンながさきの副代表も「あー、わかるー。参加者が減っているのはそういう事だったんだ!頑張って活動している〇〇さん(個人名)と△△さん(個人名)と××さん(個人名)にも教えてあげたい」と、笑っていました。
このセッションの最後に松原さんは次のように訴えました。
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今こそNPO法設立の趣旨に立ち戻り、NPO法人・任意団体を問わず、市民パワーの源泉である参加と協力に取り組まなくては。
多くの市民が参加して話し合い、協力し合うことが民主主義を維持していくことであり、社会を変えていくことに繋がる。
「私は困ってる」と言えるNPOはどれくらいあるのだろうか?
まずは市民に対して参加を呼び掛けてほしい。
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公共は一部の人のものではなく、みんなで参加し協力して創りあげていくものです。
参加者は堂本さんと松原さんのお話を聞いて気づいたこと、学んだことをワークシートに書き出しました。
「NPOはコーディネーター」「NPO法は社会を変えるツール、社会課題を解決するだけではない」「NPOは協力の専門家」といったことが挙げられました。