Hands-Onながさき ~ながさきのNPO・ボランティア活動サポート団体

長崎のNPO・ボランティアをサポートする任意団体。 連絡先:handson.nagasaki@gmail.com(@を半角に変えてください)

2018年09月

乳がんになった経験をもとに、健診を勧め、がん患者の生活相談を行っているNPO法人葵会さん
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乳がんの早期健診をすすめる「ピンクリボン活動」にも取り組んでいます。

厚生労働省の平成27年度の長崎県のデータでは、
乳がんによる死亡率(10万人あたり)13.1と全国平均10.9を上回り
全国ワースト3位となっています。

今年は、漫画ちびまる子ちゃんの作者、さくらももこさんが乳がんで亡くなりました。
53歳という若さです。

早めに受診していれば、助かったかもしれない、救えたかもしれない命です。
年齢的に50代だとまだ子どもが独立していない方もいるでしょう。
子どもに悲しい想いをさせないように、葵会さんではピンクリボン祭りを開いて、気軽に乳がん健診をできることを伝えています。

子ども向けにがんがどんな病気かを伝える紙芝居をしたり、クイズラリーやタオル帽子作成教室、ハンドエステ、ウィッグリユースの紹介など、がんという病気に対する理解、病気になった後の支援などが分かるイベントです。
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第4回SAEBOピンクリボンまつり

【日時】
2018年10月8日(日)10:00~15:00

【会場】
サン・アビリティーズ佐世保(佐世保市干尽町3-100)
佐世保みなとICすぐ駐車場有

【入場料】
無料

【主催・問い合わせ】
NPO法人葵会

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『それって労働者ですよ、ボランティアじゃありません。賃金払わないといけません。』

ある日、突然そんなことを言われたら・・・。

社会保険労務士の崎谷勉先生に来ていただき
「それ、労働者ですよ」と言われないためのボランティアマネジメントをテーマにハンズオンカフェを開きました。

崎谷先生のレクチャーからスタートした今回のカフェ。
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まずは労働者の定義を確認。

労働基準法第9条
労働者とは職業の種類を問わず、事業又は事務所に使用されている者で、賃金を支払われる者をいう。

同法第11条
賃金とは、賃金、給料、手当、賞与その他名称の如何を問わず、労働の対償として使用者が労働者に払うすべてのものをいう。

労働者かどうか判断されるポイントは使用従属性。次の5つのポイント
1.仕事の依頼に対して拒否する自由がない。
2.仕事内容ややり方について具体的な指揮命令を受けている
3.命令や依頼により予定されている仕事以外の仕事をすることがある
4.仕事をする場所や時間が指定され管理されている
5.本人に代わって他の人が働くことが認められていない、また、本人の判断でサポートを受ける人を認められない

これらを総合的に判断して労働者か否か?を労働基準監督署は判断します。

例えば、毎週〇曜日の10時~16時まで、この作業とこの作業とこの作業をやってねというと
拘束されている、命令されていると捉えられ労働者とみなされる可能性が高くなります。

ボランティアの方が自主的に「やります」と言えばいいのですが、「やらされている」と感じたらアウト。

また、Aという作業が終わったら、Bをやって、それが終わったらCをやってというのは指示命令に当たるのでこれもアウト。
事前に全体のスケジュールを示して、分からないことは聞いてくださいというのがベターです。

2つ目のポイントは労働保険加入要件である週20時間以上その活動をしているかどうか。
二か月以上、週20時間を超えて活動したらアウト。
普通のNPOは、活動時間を記録していないと思いますが、それを労基署に話たら「記録するように」という指導が入ります。
その指導にはたとえNPO法人でもボランティア団体でも従って改善案を提出しなければなりません。ちなみに時間で謝礼を積算するのも危ない。
知らなかったよ、そんなこと。

3つ目のポイントは謝金の解釈。
労基法11条では「名称を問わず支払われるもの」とされており、交通費だろうが謝金だろうがコレを糸口に次々と労働者なんじゃないのか?というツッコミが入るそうです。

話はちょっと逸れますが、謝金になると税法上、報酬になり税金のことも発生します。

事例として流山裁判を挙げられました。
福祉サービスを行うNPO法人の活動が収益事業と判定され、その収入に対して課税されるという判決。
会員Aさんが会員Bさんのために活動して800円貰いました。
そのうち200円は所属するNPO法人に寄附し、600円は会員Aさんが貰うという仕組み。
これがNPO法人にとっての収益事業に当たるということです。

では会員Aさんは労働者なのか?というとそうではなく、NPO法人から頼まれて会員Bさんのお世話をする請負業に当たるので収益事業であるという判断です。

ややこしいですが、税の面から起こった話がボランティアは労働者なのかということにまで拡大したのです。


何より、労働基準監督署は、労働者であるかないかだけで判断し、NPOの活動が社会にとって有益かどうかはみません。

厚生労働省の厚生サイドはボランティアを推進し、労働サイドは労働者として認定しようとする。

国税庁はできるだけ収益事業として認定して税金を課そうとする。

そんなのが日本のボランティアを取り巻く現状です。

現状では、日本ではボランティアを保護する法律がありません。

アメリカには国内ボランティア(振興)法(Domestic VolunteerService Act)があります。
ボランティア活動をして謝礼などとして受け取ったお金が〇〇ドル以下は、賃金ではないなど決められています。

崎谷先生は「日本も、労基法第9条に、ただし、ボランティアについては別途定めると書いておけばこのようなグレーゾーンの問題はなくなる」とお話されました。
有識者によりボランティアを規定するボランティア認知法を提言されたこともあります。

今の日本ではボランティアに関する法律がなく、それぞれの役所の裁量で判断されているのが実情です。

例えば、「東京オリンピックのボランティアなんて10日以上、これとあれとあれをやってしかもお金払って研修うけろなんて強制労働者じゃないか」と言っても国策だから労働局も国税庁も何も言わない。

でも流山裁判のように民間がちょっとでも税法や労基法に掠るかどうかという微妙なところについて激しく口をだしてくるというのが現状です。

多くの人が、誰かの役に立ちたい、何かの役に立ちたいと願って活動するボランティア。

その善意を行政の都合の良いように解釈していることが一番の課題だなと思いました。

思わず、労働者とボランティアの話から拡大しましたが、ボランティア活動に頼る、活動の場を提供するNPOとしては、参加するボランティアさんを含めて活動全体のマネジメントをする必要があるなと思いました。

また、長崎市でボランティア団体を運営するY・Oさんから事前に「ボランティアに対する交通費の支払いをみなさんどうしていますか?」という相談がありました。

参加した団体の多くが「交通費は払っている」とのこと。
「理由は謝礼を払うほどではないけれど何かのお礼をしたいから。」
「団体として交通費は払うと規定しているので払ってきた。」
「交通費をいらないというボランティアさんもいたし、交通費もでないんですかというボランティアさんもいた」
などなど。
崎谷先生によると、全体的に交通費の支払いは当たり前になってきているとのことです。

ただ、団体の財力によって払いたくても払えない場合だってあるのも当たり前。
結局は、NPOとボランティアしたい方が話し合って決めればいいのではないかという事でした。

Y・Oさん、ご相談ありがとうございました。

最後に他県の事例ですが、委託者と受託者の間で、委託者が契約以外のこともやってくれと言ってきたと起動しているか?ということです。

行政から指定管理者制度で運営しているとありがちだそうです。
その場合、委託者からの要求がエスカレートするので、どこかのポイントで「契約外のことはできない」というか「それならば変更契約書を交わして予算をください。話し合いましょう」というのがいいそうです。

ボランティアと労働者の境界について学ぼうと思ったカフェでしたが、ボランティアをマネジメントする上でNPOが気を付けるべきいろんなことを学ぶことができました。
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ながさきのNPO・ボランティアをサポートするハンズオンながさきでした。


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ゴミを拾えばゴミは減るのか?

南島原市が海岸の漂着ゴミを掃除する市内の団体を募集しています。
南島原市海岸愛護団体 環境美化活動ボランティア
ゴミ袋代や燃料費などが補助の対象になります。

どのくらいのゴミがどこにあるのかは、南島原市のホームページでは探せませんでした。

どんなゴミが、どのくらいあって、それはどこから来たのかを調査しないと、
根本的な解決=ゴミを減らすことに繋がらないのではと思います。

先月、対馬に行った時に地元の方が小茂田というとても美しい海岸に連れて行ってくれました。
このようなきれいな海にも漂着ゴミが流れつくので、学生などが中心となって清掃活動をしています。

その漂着ゴミの多くは韓国から流れ着いたもののため、韓国の学生も一緒に清掃活動をしてゴミがどこから来ているのか調べているそうです。

目の前の緊急的な活動も必要ですが、根本的な原因を取り除く活動も必要と思います。

ぜひ南島原市民の皆様には漂着ゴミの清掃だけでなく、市役所と協力して根本的に漂着ゴミが減るための調査をしてほしいと思います。

この南島原市の活動は長崎県が管理する港湾施設は活動の対象にならないと記載されていてもったいないなあと思います。
南島原市内の海岸に変わりはないので、長崎県と一緒に活動すればいいのに。
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NPO法人の活動が全国に広がってる一例として、ファザーリング全国フォーラムinひろしまに参加してきました。
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主催がNPO法人、その他の公益法人、行政という協働事業です。

この全国フォーラムは8回開催されています。

NPO法人ファザーリングジャパンの活動が全国のパパママの共感を呼び、各地にファザーリング中国、関西、九州などNPO法人が設立されました。

そして国へ「イクボス」などの政策提言を行い、国の施策に大きな影響を与えています。

今までだったら行政に何を言っても変わらなかったのが、行政からNPOに意見を求める時代になったといえるでしょう。

それはNPOが専門性があり、公益的で、非営利だからです。

これらの条件を満たして共感を呼ぶ活動、発信ができれば行政に対して「それって、こういうことしたらいいんじゃない?」と提案することができて、しかも行政がそれを材料に施策を作るんです!

長崎でもNPO法人DV防止ながさきさんの活動は高校生DV防止講座として県の事業となっています。

LGBT支援をメインに、誰もが住みやすい社会を目指しているTake it!虹さんの活動は、長崎市でLGBT支援条例制定の動きに繋がってきています。

大事なのは団体ではなく、その団体の活動内容です。
NPO法人の理事に地域の名士を連ねても活動実績がなければ、見向きもされません。
せいぜいお付き合い程度にその場をごまかすことくらいでしょか。

話は戻ってファザーリング全国フォーラムでは、開催県の湯﨑英彦知事が育休を取ったこと、過去8回の大会のうち、4回参加していることなど、県行政のトップが本気で、パパ支援、働き方改革に取り組む姿勢を感じました。

どこかの組織のように形だけ「やりました」ではない本気度が伝わってきました。

ここに集まってくるのはファザーリングジャパンの活動に共感した人ばかりなのである意味ニッチな人たちかもしれません。
しかし多くの人が潜在的に感じていることを具現化しており、これから広がる可能性がとても感じられます。

秋になり多くの地域でNPOが参加するイベントが行われます。

そこに参加しているNPOが本気かどうか、共感できるか、楽しんでいるかよーく見てみてください。

そしてちょっと関心があったら声をかけて「何でこの活動をしているんですか?」と質問してください。

いつまでもはっきり答えられないならば、「ありがとうございました」と言ってすーっとその場を去りましょう。

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7月豪雨災害のあった地域は今どうなっているのでしょうか?

北海道の地震、関西の台風21号で被災した地域から岡山県、広島県を支援したいた方々がそれぞれ地元の被災地の支援に行かなくてなりません。

岡山県、広島県ではまだボランティア活動者を募集しています。

https://www.saigaivc.com/平成30年7月豪雨災害/

被災者のニーズに合わせて、活動も少しずつ変わります。

被災者の支援活動をするボランティアだけでなく、ボランティアをコーディネートする役割、被災者のニーズをヒアリングする役割のボランティア活動者も必要としている被災地もあるでしょう。

被災地の負担を減らすために、ボランティアに行く前に地元で保険に入る、宿泊所や交通手段は自分で予約する、食事や水分は持っていくという当たり前のことを再度、ボランティアに行かれる方はご配慮ください。

また西日本豪雨では768億円の農林業被害が報告されています。
この上に、全国の農業生産高1位の北海道、台風21号の被害が加われば、食料(野菜)が高騰するだろうと思います。

野菜が非常に値上がりした場合、子ども食堂は、無料または100円などの低額で運営できるでしょうか?

災害は他人事ではありません。

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