たまにはNPO以外の長崎市のことを。

11月14日の長崎新聞に掲載された二つの記事です。

1.物価上昇、賃金減少 家計に厳しい県都長崎
ざっくりいうと、長崎市は全国1位の物価上昇率であり、その原因は、賃貸ではなく分譲住宅が多くて住宅費が高いこと。
そして賃金減少は人手不足をパートで穴埋めしていて一人当たりの賃金が低いこと。

2.BSL4最高の安全性必要 経済・医療16団体が要望
感染症研究施設(通称:BLS4)の建設を長崎大学が進めようとしています。
この施設はエボラ出血熱などの致死率の高い病原体を研究するので、
建設予定地近くの市民はとても不安に思っています。
長崎大学は何回も説明会を開いていますが、市民は納得できていません。

このような状況で要望書を出した長崎経済同友会の代表幹事さんは、
「人口減少が著しい長崎で経済効果が期待できる」と述べたそうです。
経済同友会は企業経営者が参加する団体です。

二つの記事を比べたらなんかしっくりこないなー、何だろうこの違和感は。。

パート労働者を含めて働く人の給料を上げず、高い住宅物件を売り、市民が不安に感じている施設を「経済」のために要望してる?(推測)
ここでいう経済とは、どうも一部の企業経営者の利益のような気がしてなりません。


先日、長崎の、とある企業の社長さんが講演会で次のようにお話されました。

第二次世界大戦後の日本は経済優先社会。
それはバブル崩壊と共に終わった。
この社会は全ての価値判断が「お金」と「数字」。
そこに多様性(ダイバーシティ)はなく、不確定なこと(リスク)は嫌う価値観であると。
A→Bという正解がある社会で、その通りにすればそうなった社会だった。

今は違う。今は文化の時代。
正解は無く、目の前のことに周りの人と一緒に一つずつ取り組んでいって、課題を解決したり、新しい仕事を創り出していく社会になった。A→Dや〇〇や☆になる社会。
リスクがあって当たり前。現前にあるリスクと付き合っていく社会。

どんな社会を望むのか、どんな価値観で生きていくのかを考えさせられた記事とお話でした。