いかに信頼を集めるか-。

6月27日に、長崎市立図書館で開かれたクラウドファンディングセミナーで、実際にクラウドファンディングに取り組んだまつだゆうこさんが最後に参加者に送ったメッセージです。
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クラウドファンディングは聞いたことあるけれど、やったことはない。
どんな仕組みで、どんなことが必要なんだろうという方を対象に、長崎市立図書館とハンズオンながさきがコラボして開きました。

セミナーの前に、グループごとに参加した理由、知りたいことを話し合い、全員が共有できるように書き出してスタート。
参加者が知りたいことは、クラウドファンディングの仕組み、お金の流れ、必要な準備などでした。

この体験を話したのは、長崎市立図書館10周年記念応援プロジェクト事務局のまつだゆうこさん。

10周年を記念して、図書館としてではなく、図書館の利用者やスタッフで作ったグループで何か盛り上げる取り組みをしたいとチャレンジしました。
そのための資金を考えて助成金や補助金の募集時期でもなかったこともあり、クラウドファンディングに。
これにはいくつかのパターンがあり、今回は支援者にリターンがあり、目標額に到達しないと支援金がもらえないタイプを選びました。

まつださんは、クラウドファンディングの仕組み、実際に始める前の準備、募集期間中にやったこと、お金の流れ、支援者を増やす工夫、他の団体の取り組み、感想などを話されました。

・言い出しっぺは恥ずかしがらずに声をかける、チームでやる。
・募集期間は自由に設定できるが、今回は40日で設定した。
・タイトなスケジュールにしてしまったため、支援金に対するサービスや物品を何にするか走りながら考えた。
・リターン品の送料や仕入れ額まで加えて目標額を設定しないと赤字なると思う。
・やっていくうちに、自分の得意なこと、不得意なことがわかり、不得意なことはチームの他のメンバーがやってくれた。
・お金を集め始める時期、リターン品の仕入れの支払時期、支援金が入る時期をスケジュールに組み込まないと一時的な立替金が出る可能性もある。
・一番支援者が多かった支援額は1万円のコース。
・支援者を増やすために、手を変え品を変えアピールした。
・情報発信はこまめにした。
・毎年、クラウドファンディングに取り組んでいる団体もある。毎年イベントをやることで募集しているようだ。
・クラウドファンディングに頼らず、NPO法人が持っているウェブサイトで募集して目標額になった例もある。
・クラウドファンディングの運営会社を使用するには審査があるため、それである程度の信頼は得られるかもしれない。
・成功した団体の情報がウェブサイトで公開されているので、どんな情報を公開する必要があるのか参考にした。
・助成金と違って自分たちで募集期間を設定できるし、目標額を超えた資金が集まる可能性がある(実際に今回のプロジェクトは目標額を超えた)。他の募集事例では、300万円の募集金額に対して1億2千万が集まった例もあった。
・運営会社にもよると思うが、運営会社はサイトを公開するまでの支援と思った方がいい。手数料は達成額の20%だった。

※支援金から費用を引いた収益には所得税がかかる。任意団体や個人の場合、多くは雑所得になる。まつださんのお話では今回は収益がほぼ0円なので税金はかからないと思う(ハンズオンながさき事務局より)。

まつださんのお話の途中でも、参加者から質問が出て、まつださんは「いい質問です」と丁寧に答えていました。
参加者からは予定の時間を超えても質問が出て、時間いっぱいでセミナーは終了間近に。

セミナーの最後にまつださんは
「クラウドファンディングはお金を集める手段の一つ。
大げさに期待することはできないし、何よりやってみて、信頼がないとお金が集まらないことがよくわかった。
信頼を得るため運営会社のプロジェクトページに目的や目標、実施することなどを詳しく、具体的に書きこんだ。
知り合いに直接頼むのが一番効果的だった。
クラウドファンディングだから、知らない人からポンとお金がもらえるものではない。
逆に言うとウェブサイトで、いかにして信頼して共感してもらうかがポイントと実感した。」
と参加者にアドバイスしました。

クラウドファンディングに関心をもったら、長崎市立図書館に相談してみてはいかがでしょうか。
正しい答えはないですが、参考になるお話を聞かせてくれます。